みんなでつくる、ブカツの教科書。

Vol.001 水分補給とは、水を飲むことではない

みんなで正しい水分補給について、学びましょう

この水分補給ページでは、水分補給の重要性と正しい方法をご紹介していきます。
ジュニア競技者の皆さんはカラダに占める水分の割合が多いため、わずかな水分の喪失がパフォーマンスにも体調にも大きな影響を及ぼすと考えられます。安全で充実したブカツに欠かせない水分補給は、熱中症だけでなく年間を通じて対策が求められています。
このページでは指導者の方々にとっても参考にしていただきたい情報をお届けしてまいります。

なぜ水分補給が大切なのか?

人の身体は半分以上が水でできている

私たちの身体の約60%は水分です。

なかでも、アスリートは、水分をたくさん含んだ筋肉が多いため、身体全体の水分が占める割合も一般人に比べて多くなります。

したがってアスリートにとって水分補給はいっそう重要なのです。さらに、運動中の発汗量は1時間に約2リットルにも及ぶことも。

パフォーマンス維持に欠かせない水分補給

運動をすると筋肉で大量の熱が発生します。その熱が体の内部に溜まりすぎると、内臓機能を低下させてしまいます。そういうときに私たちの身体は大量に汗をかいて、内部の熱を外に放散しながら身体を元の状態に戻そうとするのです。

暑い時は大量の汗をかきます。水分が不足すると、運動能力にも影響します。したがって、運動の能力(パフォーマンス)を持続させるためにも、汗で失った水分の補給がとても重要なのです。

「踏み台昇降運動指数」を「有酸素運動能力」の指標として「脱水量」「水分補給量」との相関を見た試験
出典:森本武利ら、高温環境とスポーツ・運動、篠原出版社(2007)/ Yamada T. et al, Adv Exerc Sports Physion (2002)

コンディショニング ワンポイント

アスリートの身体の中で水分が占める割合は、一般人よりも大きい。
脱水した状態では、100%のパフォーマンスは発揮できません。

いつ、なにを飲むべきか?

「喉が渇いた」と感じたときには、すでに脱水は始まっている

練習中にあまり喉が渇いていないからといって油断をしてはいけません。水分が足りなくなってから、喉の渇きを脳がキャッチするまでには時間差(タイムラグ)が生じるからです。

「喉が渇いたな」と感じたときには、すでに脱水が始まっています。自分でも気付かないうちに心拍数が上昇し、運動のパフォーマンスも低下している可能性があります。

何を飲むべきか、どう飲むべきか

人が汗をかくことで失うのは水分だけではありません。身体に含まれる体液は真水ではないからです。

したがって、真水を飲むだけでは、運動パフォーマンスの質を維持するのが難しくなります。水分補給の吸収スピードを加速させるのは、糖質と塩分。

出典:「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(公益財団法人 日本体育協会)

特に運動時の水分補給には、糖質と塩分(ナトリウム)の濃度を意識しましょう。したがって、適切な成分で作られているスポーツドリンクを飲むときには、水で薄めるのは避けるべきです。調整された糖質やナトリウムの濃度が下がり、身体への水分吸収の効果が薄れてしまうからです。

スポーツドリンクはどれも同じ、ではない

汗により失った身体に必要な成分を、水分とともに補うことが水分補給の目的です。だからこそ、"水分を補給すること"="身体の調子を整えること"という意識を持つべきです。

様々なスポーツドリンクが市販されていますが、電解質(イオン)の量や、糖の種類に違いがあります。これについては、次の機会にご紹介します。ポカリスエットはその名の通り"汗"の飲料として開発されました。このことからも、身体から失われた水分とイオンを補給するのに適した飲み物と言えるかもしれません。

出典:伊藤静夫、臨床スポーツ医学(2008)

コンディショニング ワンポイント

喉の渇きを感じる前に水分補給を!
正しい水分補給 = 身体の調子を整える。水分吸収に適した飲料を選びましょう。

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