File No.001 はしりSWEAT File No.001 はしりSWEAT 日本人女性初のF1をめざすレーサー小山美姫(21) 日本人女性初のF1をめざすレーサー小山美姫(21)

未来にフルスロットル。

サーキットの空は今にも降りそうな雨雲で覆われていた。ピットに戻った彼女は、0.01秒でも速く走るためメカニックに調整ポイントをぶつけていく。ヘルメットを脱いだ顔には汗が輝いていた。彼女の夢はF1レーサー。きっかけは5歳のときに乗ったカートレース。「おれは、勝つまで辞めないからな」。負けん気の強い父ちゃんの言葉が小さな胸に火をつけた。2年目にはクラスチャンピオンに輝き、1年のブランクをはさんで毎年のように優勝した。

しかし、14歳のとき親の資金が底をつき、カートレースを断念することに。ドライビングコーチのバイトをしてレース費用を貯めようとしたが焼け石に水だった。だがF1への登竜門、F4ドライバーのオーディションでチャンスが巡ってきた。速く走れば良いと思って攻めた結果はスピンアウトして不合格になってしまうが、彼女はチームの手伝いをしながら、少しずつメカニックの信頼を積み、F4のシートを獲得した。現在、レースのない日はレース活動を応援してくれている理解ある会社で仕事をしながら、体力づくりやスポンサー探しを続ける毎日だ。

いまベストを尽くすこと。
それが未来につながっていくと思います

2018年、F4はフル参戦し入賞もした。
競争女子KYOJOシリーズでは2連覇を達成。
彼女はいま夢に向かって全力で駆け抜けている。

Profile

File No.001 Miki Koyama/Age 21 File No.001 Miki Koyama/Age 21

小山 美姫(レーシングドライバー) 1997年生まれ、神奈川県出身。5歳でレーシングカートをはじめ、小学1年生以上の部に特別参加。以後各カテゴリーで好成績を収め、18歳でFIA-F4デビュー。『競争女子選手権KYOJO-CUP』2017/2018シリーズチャンピオン。世界で活躍するために戦っている。

取材日:

Share this page

Related content

pageTop