「練習はきついです。でも、やりたいことをやらせてもらって幸せです」と、彼は吹き出る汗を振り払うようにダッシュを繰り返した。夢は東京オリンピック出場。トラック種目5000mと10000mで世界を相手に戦いたい。朝5時50分トレーニング開始。ランニングはもちろん、ストレッチから食事管理まで、どうすればいい走りにつながるのか、一日中考え続ける。元々、のめり込む性格。やるべきことはすべてやりきったと納得してスタートラインに立ちたいのだ。
1歳上の兄・勇馬はマラソン界で活躍している。同じ高校・大学へ進み、箱根駅伝では総合優勝をいっしょに経験した。兄とよく比べられたが「兄を意識してやってきました。ここまでこられたのは兄のおかげ」と感謝している。大学を卒業後、兄とは別の実業団チームに所属。練習方法や環境が自分に合っていると思い決めた。「自分の持ち味はラストスパートの粘り、スピード。それを生かせるのはトラック」と言い切る。
ラストスパートは誰にも負けない、
そんな気持ちで、
見てくれている人の期待に応えたいです
自分の名前は珍しくて好きだという。大会では弾む馬の如く、素晴らしいラストスパートを見せたいと思っている。
服部 弾馬(陸上ランナー) 1995年生まれ、新潟県出身。中学、高校と陸上全国大会で活躍。東洋大学に入学し、第90回箱根駅伝では1年生ながら7区区間賞を獲得、総合優勝に貢献。卒業後、2017年(株)トーエネック陸上競技部へ。昨年6月の第102回日本陸上競技選手権大会5000mでは見事なスパートで優勝。トラック種目で日本代表をめざす。
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