大学の屋上から生駒山系の山に向かって声を張り上げる。山にいる誰かに声が届くようにと代々先輩から教わった。「声が届かなければ応援する意味がないですから」と77代久村応援部団長。創部1941(昭和16)年という伝統ある応援団。上下関係は厳しいが、団結力や連帯感はどこにも負けない。どんな応援が理想か部員たちにたずねると「観客や学生を巻き込んで一丸となった応援」「腹の底から声が出ている応援」「選手の後押しになる応援」と力強く語ってくれた。
応援部には、学ラン姿の応援が勇ましいリーダー部と、ダンスやスタンツ(組体操)などをみせる華やかなチアリーダー部がある。11月の生駒祭を間近に控え、後夜祭で行う「応援部乱舞」の練習と準備に余念がない。野球やアメフトなどの試合で年間40カ所以上の遠征に出かける彼らにとって、「応援部乱舞」は年に1度の晴れ舞台だ。リーダーの応援歌、太鼓、手拍子、そしてチアリーダーのダイナミックな演技。自分たちの成果をすべて披露する。
みんなが一つになれるのが応援。
脇役という意識はありません。
厳しい練習と遠征を繰り返し、応援に青春をかけた彼らの想いは、学園祭のステージで花開く。
近畿大学応援部 1941年創部。学ランを身にまとったリーダー部と華やかなユニフォームを着たチアリーダー部の2部で構成。野球部などのクラブ応援、入学式やオープンキャンパスの舞台参加のほか、近畿大学OBのつんく♂氏がプロデュースした入学式での校歌共演など、伝統を受け継ぎながら新しい応援スタイルに取り組んでいる。
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