「全日本で5連覇しました。でも世界ランキングはまだまだ100位にも入れないです」というのは日本スカッシュ界の若きエース。スカッシュはコートの四方の壁を使いボールを交互に打ち合うラケット競技。海外では世界185以上の国や地域で親しまれているメジャースポーツ。日本では認知度は低く、競技レベルも世界に比べ低い。彼は世界をめざし、実戦さながらのハードな練習を毎日2時間かけて行う。さらに筋トレや走り込みなどで汗を流す。
スカッシュは5歳の時にはじめた。8歳離れた兄・伸之介さんは全日本の優勝経験者。兄の背中を追いメキメキ成長。強力なドライブと速いフットワークを武器に昨年全日本選手権5連覇を達成した。国内無敵の彼だが、全日本を初優勝したとき、小さい頃からの夢が叶って心に穴が開いたような思いになり、一度スカッシュに集中できなかった時期があった。「5歳から一歩一歩積み重ねてきた大事なもの」と自分を見つめ直した。そして前に踏み出す。
国際舞台でどんどん活躍して
日本のスカッシュをメジャーにしたい。
世界で勝つ。その強い思いでプロの道へ。「トップ選手に比べてコントロールなどまだまだ甘いところがある。何をすべきか、ひとつひとつクリアにしています」。世界と戦う準備は着々と進んでいる。
机龍之介(プロスカッシュプレーヤー) 1997年生まれ。神奈川県出身。順天堂大学在学中。2014年に史上最年少17歳3カ月で全日本選手権で優勝し、昨年5連覇達成。世界ジュニアランキングでは最高4位。アジアジュニアランキング日本男子初1位など活躍。2017年からシニアとしてプロツアーに挑戦し世界のトップをめざす。
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