アイススラリーとは、
細かい氷の粒子が液体に分散した状態の飲料で、流動性が高いことから通常の氷よりも体の内部を効率よく冷やすといわれています。
Point フローズンドリンクやスムージーのように氷を細かく砕くことによって流動性を持たせたものとは異なります。
水分補給などの熱中症対策をしていても、暑く厳しい環境下や、
作業服やユニフォームの着用で汗の蒸発による体温調節ができない状況においては、体に熱がこもりやすくなります。
このような場合は活動前に体の内部の温度(深部体温)を冷やしておくことが大切です。
近年、運動前に一時的に深部体温を下げる「プレクーリング」という概念が提唱されており、その方法としてアイススラリーが用いられています。活動前に飲むだけで、あらかじめ深部体温を下げることができ、その後の体温上昇を抑制するアイススラリーは、熱中症対策の新しい選択肢として日常の様々なシーンでの活用が期待されています。
大塚製薬ではポカリスエットアイススラリーの開発にあたり、産業医科大学、北九州市消防局と協力し、
暑熱環境下で防火服着用時の深部体温に関する研究を行っています。
全豪オープンテニス
テニス・全豪オープンが開催されている真夏のメルボルンで、
日本人テニス選手が、酷暑が予想される東京五輪を見据えて、
暑熱対策としてアイススラリーを活用しました。
サッカー国際大会
「東京五輪のシミュレーション」と位置づけるU23アジア選手権でアイススラリーを活用。
冬でも気温が30度を超すタイでの大会で五輪本番を想定し
アイススラリーの飲用や手のひらの冷却等を実施しました。
JFEスチール株式会社
非常に高温な溶鉱を扱い、作業中の周辺温度は50度を超えることもあり、
全身に防護服などを着用しているため冷風が届かず、熱中症対策は長年の課題となっていました。
体を中から冷やしてくれるアイススラリーはいつも現場に欠かせず、
作業員2000人規模の製鋼工場内で毎日飲用されています。