暑さが残るこの季節、運動をすると、大量の汗をかきます。ブカツの前と後で体重を測ると、体重は減っていることが多いことに気づくと思います。この減った分だけ体から水分が失われています。
例えば、体重50kgの人がブカツ後に49kgになったら、2%の減少で約1リットルの水分が失われたことになります。運動前後に体重を測り、2%以上の体重減少にならないように、ブカツ中に水分補給するようにしましょう。
また、おしっこの色がふだんよりも濃いと感じたときも、水分不足なので気をつけてください。
体内の水分が失われたままだと、体温が上昇しやすくなり、熱中症や疲労の原因となります。ブカツ後に減った体重は、寝る前までに戻すようにしましょう。そのためには、ブカツ中だけではなく、ブカツ終了後も意識的に水分を摂取することが必要です。
ノドの乾きが収まったら大丈夫、と考えるのではなく、失った水分を正常な量に戻すために水分を摂るようにしましょう。
コンディショニング ワンポイント
体内の水分が失われたままだと、熱中症や疲労の原因に!
体重測定で失った水分量を知り、適量を補給する習慣を身につけましょう。
汗を大量にかくと、水分と一緒に塩分も失われます。水分だけを補給すると、血液中の塩分濃度が低くなります。血液中の塩分濃度の低下は危険なので、無意識のうちに水分を摂らなくなったりして脱水から回復できません。
日本体育協会が熱中症対策に推奨する飲料の塩分濃度は、0.1~0.2%(ナトリウム換算40~80㎎)です。水分だけではなく、塩分も合わせて摂取しましょう。
運動時の水分補給に適した飲料はスポーツ飲料です。
ブカツでエネルギーを消費した時には、糖質が含まれるスポーツ飲料を利用すると良いでしょう。水分と塩分、それにエネルギーも補給できます。飲料の糖質濃度は4~8%が適当です。
コンディショニング ワンポイント
水分だけでなく、塩分+糖質補給も重要!
その両方が含まれるスポーツ飲料を利用しよう。
十分に水分補給をしているのにも関わらず、体重が減ってきた時は、食事量の減少から来るエネルギー不足が原因かもしれません。エネルギーが不足すると、疲れが抜けずに身体が動かなくなったり、集中力低下によるケガの恐れもあります。
成長期の中学・高校生時代は、一生のうちでもっともエネルギーが必要な時期。普段の食事をしっかりと食べれることが重要です。食事を食べるのも、練習のうち。スポーツ選手で強い人は、食事をしっかりと食べています!
暑さや疲れなどで食欲がない場合は、1日数回に分けて少しずつ食べたり、エネルギーを多く摂取できる食材を選ぶなど、体重が落ちないように工夫してください。
また、少量でも多くのエネルギーや栄養素が摂れるように、カロリーメイトなど栄養調整食品を利用するのも良い方法です。カロリーメイトには、ブロック、ゼリー、缶の3タイプがあります。シチュエーションに合わせて使い分けることができます。
コンディショニング ワンポイント
暑さで食欲がない時は、エネルギー不足に注意!
食べられないときは、少量でも多くのエネルギーや栄養素が摂れる
栄養調整食品を利用しよう。
岡村 浩嗣さん
著書に「親子で学ぶスポーツ栄養(八千代出版)」「ジムに通う人の栄養学 スポーツ栄養学入門」(講談社 ブルーバックス)」「市民からアスリートまでのスポーツ栄養学(八千代出版)」