ジュニアスポーツ選手のための スポーツライフマネジメント

Vol.3 鍛えたカラダを維持しよう

夏に行った合宿では、「スポーツライフマネジメント」を実践できましたか? 「運動」「栄養」「休養」の3 要素を計画的に組み入れ、練習の効果も上がったことでしょう。
秋に向け、夏の間に鍛えたカラダを維持するために、どのような栄養補給が必要か、また、季節の変わり目の体調管理を覚えておく必要があります。

暑さによる「夏バテ」

 暦の上では秋ですが、まだまだ暑さが続きます。「カラダがだるい」「練習に身が入らない」などの体調不良は、「夏バテ」によるものかもしれません。
この時期、体調不良の症状で最も多いのが「食欲不振」です。食欲不振の原因はいろいろありますが、温度と湿度が高くなり、不快指数が増すほど胃 酸の分泌が低下してしまい、胃の消化力が弱まります。そのため、とった食事を上手に消化吸収できなくなります。
また、のどごしの良い食べやすいものばかり食べることが多く、結果としてたんぱく質やビタミン不足などを起こし、さらに体調を崩してしまうという悪循環に陥るケースもみられます。  合宿で頑張って鍛えたカラダをきちんと維持し、秋の大会に向けたコンディショニングのためにも、毎日のリズムを一定に整え、食事と休養をしっかりとるようにしましょう。

毎日の食事を考える

 食事は「バランス」が大事と良く言われます。では、何をどの程度食べればバランスが良いのでしょうか。そこで活用したいのが、図1の「食事バランスガイド」(厚生労働省・農林水産 省決定)です。

食事バランスガイドについて詳しくは、 農林水産省ホームページへ。
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/

食事バランスガイドは、一日の食事 の量的な目安を簡潔に示したものです。 食事のバランスをコマのイラストで表現し、多く取り入れたいものがコマの 上に位置されており、多い順から「主食」「副菜」「主菜」と並べられ、「牛乳・乳 製品」と「果物」は同程度と考えられ ています。目安が一目でわかるため、 比較的簡単に食事の栄養バランスを配慮した献立を考えることができます。

計画的な栄養補給

カラダづくりや競技力向上のための 食事は、栄養バランスだけでなくタイミングが重要です。 朝・昼・夕食と、 毎日決まった時間に摂取することでカラダが求める栄養を適切に供給することが可能です。

また、成長期にある子ども達は多く のエネルギーが必要です。さらにスポーツ選手はたくさんのエネルギーを 消費するため、3食以外にも補食を加えて、計画的な栄養補給を心がけま しょう。

1日のタイムテーブル例

出典:日本体育協会発行 Sports Japan 2016年9-10月号掲載記事

記事をPDFでダウンロードする

監修 松本 恵 先生

  • 日本大学 文理学部 体育学科 准教授
  • 北海道大学大学院 農学研究科 応用生命科学 修了 博士(農学)、管理栄養士、公認スポーツ栄養士

日本大学にて、陸上競技、柔道、トライアスロン、スキージャンプ選手などの栄養サポートに携わり、スポーツ貧血の改善・予防、試合時のコンディショニング・リカバリーなど幅広い研究をするとともに、NTC大倉山医科学サポートチームで栄養部門担当、日本スポーツ栄養学会理事、ソチオリンピックマルチサポート事業などの多岐にわたる活動をする。

ジュニアスポーツ選手のためのスポーツライフマネジメントの記事

ページトップへ